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痛風・高尿酸血症の病態やメカニズムを徹底解説|治療法も詳しく紹介

悩みや症状
痛風・高尿酸血症の病態やメカニズムを徹底解説|治療法も詳しく紹介

「痛風や高尿酸血症ってどんな病気なの?」
「高尿酸血症に対して用いられている治療薬は?」
このような疑問を持っている人は少なくないのではないでしょうか。

本記事では、激しい痛みを引き起こす痛風や、その原因である高尿酸血症の病態・メカニズムについて徹底解説。
痛風発作や高尿酸血症の治療法についても詳しく紹介します。

本記事を読めば、痛風や高尿酸血症に対する理解を深められます。
興味がある人はぜひ最後までご覧ください。

痛風とは?

痛風とは、足の親指のつけ根などの関節に激痛発作が起こる疾患です。
激痛は、関節内に析出した「尿酸塩結晶」という物質により引き起こされます。

まずは、痛風について以下の観点から解説していきます。

  • 症状
  • 経過
  • 疫学(発症の状況)

それぞれについて見ていきましょう。

①症状

痛風の代表的な症状は、先ほども触れた通り親指のつけ根によく起こる激痛です。
その痛みの強さから、「風が触れても痛い」と形容されています。

尿酸塩結晶が析出する場所により、以下のような症状を伴う場合もあります。

析出場所 所見 症状
全身の 皮下組織 痛風結節 痛みはない 感染症や神経の圧迫を伴うケースでは、手術が検討される
腎臓 痛風腎 腎機能低下
尿路 尿路結石 強い痛み、血尿

②経過

痛風発作の炎症は、ほとんどのケースで24時間以内にピークに達します。
その後、数日から1週間ほどで治まっていく場合が多いです。

発作が発生していない期間を間欠期と呼び、無症状のまま経過します。
しかし、無治療のまま放置していると再び痛風発作が発生してしまうのです。
はじめの頃は数年に1回ほどの頻度ですが、年に数回へと次第に増加していきます。

その後も治療せずに放置しておくと、慢性期に入り痛風結節や痛風腎がみられるようになります。
このように、痛風は放っておいてはいけない疾患なのです。

③疫学

かつての日本国内では、痛風は稀な疾患と考えられていました。
しかし、1960~1970年代にかけて患者数が爆発的に増加しています。
原因として考えられているのが、食生活の欧米化やアルコール摂取量の増加です。

以前の発症年齢のピークは50歳代でしたが、今では30~40歳代へとピークが下がってきています。
原因として、若い世代の肥満や過食、過剰な飲酒などが考えられます。
なお、男女比には大きな偏りがみられ、男性の占める割合が約95%です。

痛風で激痛が起こるメカニズム

痛風における激痛発作のメカニズムは以下の通りです。

  1. 尿酸塩結晶が関節内に遊離する
  2. 免疫に関わる細胞「マクロファージ」が結晶を貪食(消化・分解)する
  3. マクロファージから「炎症メディエーター」という物質が放出される
  4. 同時に、「血小板」や「好中球」といった細胞からも炎症メディエーターが放出される
  5. 炎症メディエーターにより関節の激痛・発赤・腫脹が引き起こされる

代表的な炎症メディエーターは、「ロイコトリエン」や「プロスタグランジン」、「インターロイキン」などです。

そして、尿酸塩結晶が析出するそもそもの原因が、尿酸値が高い状態である高尿酸血症です。
痛風発作を繰り返さないためには、そもそもの原因である高尿酸血症を治療しなければなりません。
ここからは、尿酸の代謝と高尿酸血症について見ていきましょう。

尿酸とプリン体

尿酸は、「プリン体」と呼ばれる物質が代謝されてできるものです。
プリン体は、肝臓での生合成や食事からの摂取により産生されます。
生物が存在するために必要不可欠なエネルギーや核酸(DNAなど)の原料となった後、尿酸に代謝されて対外へ排泄されます。

私たちの体内では尿酸の量が一定にコントロールされており、約1200mgです。
肝臓での生合成や食事からの摂取により、1日に約700mgの尿酸が産生されており、同程度の量が腎臓(約2/3)や腸管(約1/3)から排泄されています。
この産生と排泄のバランスが崩れた状態が、痛風の原因となる高尿酸血症です。

高尿酸血症とは?

血清中の尿酸値が7.0mg/dL以上になると、高尿酸血症と診断されます。
高尿酸血症について、以下の観点から解説していきます。

  • 病型分類
  • 生活習慣病との関係
  • リスクとなる食品

それぞれについて見ていきましょう。

①病型分類

高尿酸血症は、発症するメカニズムから以下の病型に大別されます。

病型 腎負荷型 尿酸排泄低下型 混合型 (腎負荷型+尿酸排泄低下型)
尿酸産生過剰型 腎外排泄低下型
尿酸産生(肝臓での生合成) 亢進 そのまま そのまま 亢進
腸管からの尿酸排泄 そのまま 低下 そのまま そのままor低下
腎臓からの尿酸排泄 亢進 亢進 低下 低下
頻度 約10% 約60% 約30%

病型分類により、用いられる治療薬も異なります。

②生活習慣病との関係

高尿酸血症の発症には、遺伝的因子に加えて以下のような環境因子が大きく影響します。

  • 食事
  • アルコール過剰摂取
  • ストレス

これらの要因は、様々な生活習慣病のリスク因子でもあります。
代表的な生活習慣病は以下の通りです。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 肥満症

高尿酸血症とこれらの生活習慣病が合併することで、腎機能低下や動脈硬化などが起こりやすくなります。

また、尿酸値が7.0mg/dL未満であったとしても、値が高いほど生活習慣病のリスクも高くなると報告されています。
特に女性ではその傾向が強いため、注意が必要です。

③リスクとなる食品

高尿酸血症のリスクとなる主な食品は以下の通りです。

プリン体を多く含む食品 ビール、動物の内臓、魚の干物、乾物
体内でのプリン体分解を促進して尿酸を増加させ、さらに尿酸の排泄を抑制する食品 アルコール(ビール、ワイン、日本酒、焼酎など)

ビールにはプリン体とアルコールの両方が多く含まれているため、高尿酸血症の大きなリスクとなるのです。

痛風・高尿酸血症の治療

痛風・高尿酸血症の治療は以下の通りです。

  • 痛風発作治療薬
  • 尿酸合成阻害薬
  • 尿酸排泄促進薬
  • 生活指導

それぞれについて見ていきましょう。

①痛風発作治療薬

痛風発作が起こった際には、以下の治療薬が用いられています。

薬剤 概要 主な副作用 投与に注意すべき患者さん
NSAIDs ナプロキセン、インドメタシンなどを短期間に高用量投与 消化性潰瘍 腎機能障害 肝機能障害 喘息発作 アナフィラキシーショック 消化性潰瘍の既往 抗凝固薬内服中 腎機能障害 肝機能障害 アスピリン喘息 妊婦
コルヒチン 発症12時間以内に投与 悪心・嘔吐・下痢 再生不良性貧血 横紋筋融解症 腎機能障害 肝機能障害 腎機能障害 肝機能障害 妊婦
グルココルチコイド 経口投与の他、関節内投与や筋肉内投与も可能 易感染性 血糖値上昇 感染症 糖尿病 手術後

②尿酸合成阻害薬

尿酸合成阻害薬は、主に尿酸産生過剰型の高尿酸血症に対して用いられる薬剤です。
アロプリノールやフェブキソスタット、トピロキソスタットが該当します。

プリン体が尿酸に代謝されるためには、「キサンチン酸化還元酵素」という物質が必要です。
尿酸合成阻害薬はキサンチン酸化還元酵素を抑制することで、尿酸の産生量を減少させます。

副作用として起こり得るのは、発疹や胃腸障害、肝機能障害や骨髄障害などです。
また、腎機能が低下している人に投与すると重篤な副作用が生じやすいため、投与量を調節する必要があります。

③尿酸排泄促進薬

尿酸排泄促進薬は、主に尿酸排泄低下型の高尿酸血症に対して用いられる薬剤です。
ベンズブロマロンやプロベネシドが該当します。

尿酸は腎臓を通り抜ける際に、「近位尿細管」という場所で体内に再吸収されています。
尿酸排泄促進薬は再吸収を抑制することで、尿酸の排泄量を増加させるのです。

副作用として起こり得るのは、胃腸障害や皮膚過敏症、肝機能障害などです。
また、尿路結石がある患者さんには使用してはいけません。
(尿酸排泄促進薬の使用により尿路結石がさらにできやすくなるため)

④生活指導

環境因子を改善することで高尿酸血症の発症を抑制できるため、生活指導が欠かせません。
具体的には、以下のような生活指導が行われます。

食事療法 制限するもの:プリン体(400mg/日)、総エネルギー(肥満解消)など
積極的に摂るもの:十分な水分、乳製品(特に低脂肪)など物
飲酒制限 日本酒1合/日、ビール500mL/日、ウイスキー60mL/日、ワイン148mL/日以下
運動療法 有酸素運動(30~60分/日)を継続的に行う

ただし、急激な体重減少や過度の運動は痛風発作を引き起こす可能性があるため、慎重に行わなければなりません。

まとめ:高尿酸血症を治療して痛風を予防しよう

痛風とは、足の親指のつけ根などの関節に激痛が生じる疾患です。
痛風発作を起こさないためには、原因である高尿酸血症を治療しなければなりません。

高尿酸血症の治療には、痛風発作治療薬・尿酸合成阻害薬・尿酸排泄促進薬といった治療薬が用いられる他、生活指導が行われます。
病型分類に沿った治療や生活習慣の改善を適切に行い、痛風発作を予防しましょう。

このコラムの執筆者

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笹島 遼介
薬剤師
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2016年より調剤薬局を中心に地域医療に携わり、患者の日常に寄り添った服薬支援を実践。

花粉症や糖尿病など、長期治療が必要な慢性疾患に幅広く対応している。

現在は慢性疾患や生活習慣病に関する正確で実用的な知識をWebメディアで発信中。

些細な不安や疑問にも耳を傾け、共に解決策を見出す姿勢を大切にしている。

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