尿路結石は腎臓から膀胱に至る尿路に結石ができ、強い腰痛や腹痛、血尿などの症状を引き起こす病気です。 特に尿酸結石などの一部の結石では尿のpHが大きく関係していることから、治療や再発予防には尿をアルカリ化する尿アルカリ化薬が使用されます。
今回は、尿アルカリ化薬がどんな薬なのか、どのような種類があるのかに加え、市販薬の情報や食べ物・飲み物による尿のアルカリ化の方法も解説します。 また、尿のpHと尿路結石の関係や、尿酸排泄促進薬が結石に禁忌とされる理由についてもお話していきます。
尿路結石を治療中の方、再発を防ぎたい方は参考にしてください。
尿路結石はどんな病気か
尿路結石は腎臓・尿管・膀胱・尿道といった尿の通り道に、結晶成分が固まって石のような塊である結石ができる病気です。 成人男性や閉経後の女性に多く見られ、食生活の欧米化によって急増し、約40年間で約3倍に増加している身近な病気の1つとなりました。
結石は成分によって、シュウ酸カルシウム結石、尿酸結石、リン酸カルシウム結石、そしてこれら複数が要因となる結石に分類されます。 原因はそれぞれ異なりますが、尿が酸性に傾くとシュウ酸カルシウム結石と尿酸結石ができやすくなり、アルカリ性に傾くとリン酸カルシウム結石ができやすくなるとされています。
尿路結石の症状は結石の位置や大きさによって異なり、腎臓にとどまっている場合は無症状のこともありますが、尿管に詰まると激しい腰痛を引き起こすのが特徴です。 その痛みは七転八倒するほどとも言われ、背中から下腹部、男性では精巣まで痛みが広がって、血尿や吐き気、頻尿をともなうこともあります。
尿路結石は糖尿病や痛風などの生活習慣病、欧米化した偏った食事、脱水症状、運動不足などがリスク要因であるため、再発しやすい病気です。 このようなことからも、尿路結石を治療・予防するためには生活習慣を整え、尿のpHをコントロールすることが重要とされています。
尿のアルカリ化と尿路結石
尿路結石を治療・予防するためには、生活習慣を整えて尿のpHを適正に保つことが重要です。 特に尿酸結石は尿が酸性に傾いている時にできやすくなるため、尿をアルカリ性に近づけることで結石の形成を防げます。
尿のpHと結晶化
尿のpHは食事や体調、薬剤の影響で日々変動しますが、健康な人の尿はpH6.0前後のやや酸性です。 ところが偏った食事やストレスなどによって、さらに酸性に傾くと、尿酸が結晶化しやすくなり、尿酸結石ができやすくなります。
このような時に尿をアルカリ化することで結晶の形成が抑えられ、結晶化する前の状態の尿酸を体外に排出できるようになり、特に尿のpHが約6.0?6.5に保たれることが尿酸結石の予防や再発防止に効果的とされています。
ただし、pHが7.0を超えるほどのアルカリ性に傾くとリン酸カルシウム結石のリスクが上がるため、適度にバランスを保つことが大切です。
尿をアルカリ化するには
酸性に傾いた尿をアルカリ化するには、食事や飲み物に気を配って生活習慣を整えることが重要ですが、すでにできてしまった尿酸結石の治療や再発防止には尿アルカリ化薬などを使用した治療を行います。
ここからは尿アルカリ化薬の特徴や尿をアルカリ化する食生活について解説していきます。
尿路結石の治療に使われる尿アルカリ化薬とは
尿アルカリ化薬はpHを上げて尿をアルカリ性に傾けることで、尿路結石の形成を抑える薬剤です。 尿が酸性のままだと尿酸が結晶化して結石になりやすくなりますが、尿をアルカリ化することで尿酸を溶けやすい状態に保つことができます。
尿アルカリ化薬の効果
尿アルカリ化薬には、クエン酸カリウムとクエン酸ナトリウム水和物が配合されたウラリット-U配合散やウラリット配合錠という先発医薬品と、ポトレンド配合散、クエンメット配合散、クエンメット配合錠という後発医薬品があります。
尿アルカリ化薬はクエン酸回路によって代謝されると重炭酸イオンを生成して塩基となり、尿をアルカリ化する作用があります。 このような作用があることから、痛風、高尿酸血症における酸性尿の改善、アシドーシスの改善などに使用されます。
ウラリットをはじめとするこれら薬剤はクエン酸を含むため、酸味や塩味などを感じやすいのが特徴です。 特に散剤は味を感じやすいので、そのまま服用するのが苦手な場合はコップ1杯の水に溶かして服用するなどの工夫をするとよいでしょう。 また、このことを考慮して錠剤を選択するのも一つの手段です。
一方で、尿アルカリ化薬とよく混同される薬剤にユリノームなどの尿酸排泄促進薬がありますが、この薬剤は尿中への尿酸の排泄を促進する作用があるため、尿酸の濃度が高まって尿路で結晶化するリスクが高まります。 そのため、尿酸結石がある患者さんは使用を避けるべきとして、腎結石を患っている方は禁忌とされているので注意してください。
尿アルカリ化薬の用法用量
ウラリット配合錠を例にすると、高尿酸血症における酸性尿と痛風の場合は、通常成人は1回2錠を1日3回服用するのが基本ですが、尿検査で尿のpHが6.2~6.8になるように、薬剤の量を調整して処方されます。
もし飲み忘れた場合は気づいた時に1回分服用しますが、次の服用までは4時間あけてください。 また、尿量を増やして尿酸を排出しやすくするためにも、なるべく多くの水分で飲むとよいでしょう。
尿アルカリ化薬の副作用・禁忌
尿アルカリ化薬ウラリット配合錠の副作用として、下痢や吐き気などの消化器症状が起こる可能性があり、ごく稀に重篤な副作用である高カリウム血症を引き起こす恐れがあります。 高カリウム血症の初期症状である手足や唇の痺れや麻痺、筋力低下などの症状が見られた時には、すぐに医療機関を受診してください。
また、尿路感染症の治療薬ヘキサミンを使用中はこの薬剤の効果を弱めてしまうため、尿アルカリ化薬との併用は禁忌とされています。 さらに肝機能や腎機能に障害がある方、尿路感染症を患っている方、高齢者は、副作用が出やすかったり、薬剤の影響によって病気が悪化したりする可能性があるため、体調に注意しながら使用してください。
尿アルカリ化薬の市販薬
ここまで紹介してきたウラリットやポトレンドなどの尿アルカリ化薬は処方薬としての取り扱いであるため、市販薬としての販売はありません。
成分であるクエン酸についてはサプリメントや食品として販売されており、尿酸値を下げる効果が期待できるとした機能性表示食品にもなっていますが、これらは一時的な対処や軽度な症状のケアが目的のため、処方薬のような効果は得られにくいと考えられています。
ただし、尿アルカリ化薬とは別のアプローチ方法で尿酸値を下げる作用をもつ、痛風や高尿酸血症の治療薬であれば、お薬ネットで購入することが可能です。
お薬ネットで取り扱っているフェブタズ40mgは有効成分フェブキソスタットが主成分の薬剤で、尿酸生成酵素の働きを阻害して痛風や高尿酸血症の症状を改善させます。 ザイロリック100mgは有効成分アロプリノールが主成分の薬剤で、尿酸の生合成を抑えて体内の尿酸を減らす作用をもっています。
尿をアルカリ性にする食べ物・飲み物
ここまで尿アルカリ化薬を中心に薬剤で尿酸値を下げるお話をしてきましたが、実は日々の食生活も尿酸値に大きな影響を与えていることはご存知でしょうか。 尿をアルカリ性に保つためには、食事によるpHコントロールは重要であり、薬物療法と併用して行うべきセルフケアです。
ここからは尿をアルカリ化しやすい食品と、酸化しやすい注意すべき食品について解説します。
アルカリ化しやすいおすすめの食品
尿をアルカリ性に傾ける代表的な食べ物は野菜です。 特にほうれん草やキャベツ、きゅうり、大根、ブロッコリー、さつまいもなどは、体内で代謝された際にアルカリ性の成分を残すアルカリ性食品に分類されます。 さらに野菜の摂取量が多いと尿はアルカリ性に傾きやすくなるので、野菜は積極的に摂取するようにしてください。
また、果物や海藻類、キノコ類もおすすめの食品です。 バナナ、メロン、スイカ、キウイ、アボカド、りんご、昆布、わかめ、しいたけ、しめじもアルカリ性食品に分類されます。 ただし、果物は摂りすぎると尿酸値を上げることもあるので、1日に約100?200gを目安に食べるとよいでしょう。
これに加えて、水やクエン酸を含むレモン水や梅干し湯、黒酢ドリンクなどもアルカリ化を促すとされています。 脱水を防いで尿量を確保する目的でも、これら飲み物でこまめに水分補給を行ってください。
酸化しやすい注意すべき食品
尿を酸性化させる食品は、肉や魚、卵などの動物性たんぱく質、糖分の多い清涼飲料水やアルコール類です。 ただし、たんぱく質は身体に必要な栄養素であるため、極端な制限をするのではなく、野菜や海藻類などを積極的に取り入れたバランスの良い食事を心掛けることが大切です。
一方で、ビールなどのアルコール類は体内に入るとすぐに吸収されて血糖値を上昇させてしまうため、注意してください。 これは尿酸値を上昇させるプリン体がカットされた発泡酒であっても、アルコールは代謝されて尿酸を増やすうえに、尿酸を体外に排泄するのを抑える作用があるため、飲み過ぎてはいけません。
このように食事は尿酸値に大きな影響を及ぼします。 尿アルカリ化薬だけに頼るのではなく、生活習慣を整えて尿路結石を改善させていきましょう。
まとめ:尿アルカリ化薬は尿酸値をアルカリ性に傾ける薬
ウラリットをはじめとする尿アルカリ化薬は、尿酸値をアルカリ性に傾けて尿酸結石の予防や治療に用いられる薬剤です。 尿アルカリ化薬は処方薬のみの取り扱いですが、異なるアプローチ方法で尿酸値を下げるフェブタズやザイロリックであれば、お薬ネットで購入することも可能です。
