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統合失調症について詳しく紹介|抗精神病薬の作用や副作用のメカニズムを徹底解説

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統合失調症について詳しく紹介|抗精神病薬の作用や副作用のメカニズムを徹底解説

「統合失調症ってどんな病気?」
「抗精神病薬はどうやって作用しているの?」
このような疑問を持っている人は少なくないのではないでしょうか。

本記事では、統合失調症の症状や経過などについて詳しく紹介します。
統合失調症の治療薬である抗精神病薬の、作用や副作用のメカニズムも徹底解説。

本記事を読めば、統合失調症や抗精神病薬について理解を深められます。
興味がある人はぜひ最後までご覧ください。

統合失調症とは?

代表的な精神疾患の一つである統合失調症について、以下の観点から解説していきます。

  • 疫学
  • リスク要因
  • 症状
  • 経過
  • 治療法

それぞれについて見ていきましょう。

疫学

世界的にみて、統合失調症の有病率は約1%であり、男女差はあまりありません。
100人に1人の割合ですので、多いと感じられる方もいらっしゃるでしょう。

発症時の平均年齢は、女性が20代前半~半ばであるのに対して、男性はより若年と報告されています。
また、小児期の発症は比較的まれです。

リスク要因

統合失調症のリスク要因として、主に以下が挙げられます。

  • 遺伝的素因
  • 小児期の心的外傷
  • ネグレクト
  • 出生前の感染症
  • 都市生活
  • 貧困
  • 環境の大きな変化
  • 薬物

これらの要因が組み合わさって、統合失調症の発症に関与していると考えられています。

症状

統合失調症の症状は、以下の4つに分類されます。

陽性症状妄想明らかに矛盾しているにもかかわらず、確信していること
・被害妄想(拷問を受けている、尾行されている、騙されている)
・関係妄想(書籍や新聞、歌詞などが自分に言及している)
・思考奪取(他人が自分の心を読み取れる、自分の考えが他人に伝わっている)
・思考吹入(考えが外部から自分に押し付けられている)
幻覚幻聴・幻視・幻嗅・幻味・幻触・幻聴が最も多くみられ、自分の行動に言及したり、自分を罵倒したりする声が聞こえる場合もある
陰性症状・感情鈍麻(顔の動きが乏しくなり、表現力が失われる)
・発語の乏しさ(自発的に話すことがほとんどなくなり、質問しても返答がそっけなくなる)
・快感消失(活動に対する興味が喪失し、無意味な活動が増える)
・社交性低下(対人関係への興味が失われる)
解体症状陽性症状の一種と考えられることもある
・思考障害(思考がまとまらず、支離滅裂かつ理解不明となる)
・奇異な行動(幼い愚行、不適切な外見や衛生状態、硬直した姿勢の維持、無目的な運動)
認知症状以下に障害がみられる
・注意力
・処理速度
・作業記憶
・陳述記憶
・抽象的思考
・問題解決能力
・社会性

以上4つのうち、1つのカテゴリーのみを発症する場合もあれば、4つのカテゴリー全てを発症する場合もあります。

経過

統合失調症は、いきなり多くの症状が現れる疾患ではなく、徐々に進行していく慢性疾患です。
患者さんは平均的に、医療機関を受診する約8~15ヵ月前から、何らかの精神症状を呈している傾向にあります。
(経過のより早くに受診するケースが増えつつある)

統合失調症を発症した後の経過は患者さんごとに異なります。
全体の3分の1が持続的に改善し、3分の1がある程度の改善にとどまり、残りの3分の1では活動能力が大きく低下したまま、と報告されています。
なお、統合失調症の発症前の水準にまで活動能力が回復するのは、全体の約15%です。

発症後の経過を左右する要因についても、研究が進んでいます。

経過を良くする要因・発症前の活動能力が高い(成績優秀な学生、まともな職業歴)
・発症が突然
・認知症状がない、もしくは軽い
・陰性症状がない、もしくはほとんどない
・発症から治療を開始するまでの期間が短い
・女性(抗精神病薬が効きやすい)
経過を悪くする要因・発症年齢が低い
・発症前の活動能力が低い
・家族に統合失調症患者(過去含む)がいる
・陰性症状が多い
・発症から治療を開始するまでの期間が長い
・物質使用(マリファナや幻覚剤など)

発症後の経過を良くするためには、発症してから早期に治療を開始すること、物質使用を強く禁止することが大切です。

治療法

統合失調症に対する治療の目的は以下の通りです。

  • 精神症状を軽減する
  • 社会的機能を維持する
  • 症状の再発を予防する
  • レクリエーショナルドラッグ(快楽を得るための薬物)の使用を止める

以上の目的を達成するために、以下の治療が行われています。

薬物療法抗精神病薬
リハビリテーション社会技能訓練や職業的リハビリテーション、認知リハビリテーションなど
精神療法疾患に適応した活動の促進、認知行動療法など

統合失調症を発症するメカニズム

統合失調症を発症するメカニズムについては、現時点でもはっきりとは解明されていません。
有力と考えられているのが、神経伝達物質である「ドパミン」と「セロトニン」が関与しているという説です。

ドパミンは、陽性症状の原因として注目されている物質です。
「ドパミンD2受容体」という場所に結合することで、様々な陽性症状を引き起こしていると考えられています。

一方、セロトニンは陰性症状の原因として注目されている物質です。
「セロトニン5-HT2a受容体」という場所への結合により、様々な陰性症状を引き起こしていると考えられています。

抗精神病薬の種類

抗精神病薬は、その作用から「定型抗精神病薬」と「非定型抗精神病薬」に分類されます。
それぞれについて見ていきましょう。

定型抗精神病薬

定型抗精神病薬は、ドパミンD2受容体を阻害する作用を持つ薬剤です。
ドパミンの働きを抑えることで、陽性症状を改善する効果が期待できます。
次に紹介する非定型抗精神病薬よりも、抗ドパミン作用は強いです。

しかし、効果が強い分副作用には注意しなければなりません。
また、陰性症状を強めてしまう恐れがある点も指摘されています。

定型抗精神病薬に該当する薬剤は以下の通りです。

コントミン躁病、神経症、悪心・嘔吐などに対しても用いられる
フルメジン散剤もあり、嚥下機能が低下した患者さんにも用いやすい
ノバミンオピオイド鎮痛薬や抗がん薬による悪心・嘔吐に対しても用いられる
セレネース躁病や悪心・嘔吐に対しても用いられる
ドグマチール消化管運動改善目的にも用いられる

非定型抗精神病薬

非定型抗精神病薬は、ドパミンD2受容体とセロトニン5-HT2a受容体の両方を阻害する作用を持つ薬剤です。
その作用から、「セロトニン・ドパミン拮抗薬(SDA)」と呼ばれることも。

定型抗精神病薬と同様に、ドパミンの働きを抑えることで陽性症状を改善する効果が期待できます。
また、セロトニンの働きを抑えることで陰性症状を改善する効果が期待できます。

非定型抗精神病薬に該当する薬剤は以下の通りです。

リスパダール小児期の自閉スペクトラム症に対しても用いられる
インヴェガ吸湿により体内での薬物動態に影響が出る可能性があるため、保管に注意
ゼプリオン水懸筋注インヴェガの成分(パリペリドン)を元に、持効性がさらに高められた
ルーラン副作用の懸念が比較的少ない
ロナセン食事の影響を受けやすい

抗精神病薬の副作用

抗精神病薬の副作用として、代表的なものは以下の通りです。

精神神経症状 眠気、めまい、頭痛、不安、不眠など
錐体外路症状 パーキンソン症候群
内分泌症状 高プロラクチン血症、女性化乳房など
(ドパミンの作用の一つにプロラクチンの抑制があるが、抗精神病薬により抑制が弱まるため)
悪性症候群 高熱、手足の震え、身体のこわばり、話しづらい、よだれが出る、脈が速くなるなど

このうち、注目していただきたいのが錐体外路症状です。

ヒトの様々な運動は、脳内の「淡蒼球内節」という場所から抑制されています。
淡蒼球内節は、同じく脳内の「線条体」という場所から促進されています。
そして、線条体を抑制しているのが、抗精神病薬のターゲットとなっているドパミンです。

抗精神病薬を投与すると、抗ドパミン作用により線条体への抑制作用が抑えられます。
ドパミンによる抑制から解放された線条体は、淡蒼球内節の作用を促進します。
その結果、ヒトの様々な運動に過度な抑制がかかってしまうのです。

過度な抑制がかかると、以下のような症状がみられます。

  • 安静時に手が震える
  • 動作が緩慢になる
  • 筋肉がこわばる
  • 前かがみになりやすい、転びやすい

このような症状をまとめて、錐体外路症状と言います。

本記事の本題とは少しズレますが、錐体外路症状を呈する代表的な疾患がパーキンソン病です。
パーキンソン病では、ドパミンを合成している「中脳黒質」という場所が障害されます。
その結果、抗精神病薬による副作用と同様のメカニズムで、錐体外路症状が生じます。

まとめ:抗精神病薬で統合失調症を治療しよう

統合失調症は、有病率が約1%の代表的な精神疾患です。
陽性症状や陰性症状、解体症状や認知症状など、様々な症状がみられます。

統合失調症に対する治療法は、薬物療法やリハビリテーション、精神療法などです。
用いられている薬物は、作用の違いから定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬に分類されます。

抗精神病薬の副作用として、重要なものが錐体外路症状です。
抗ドパミン作用により、様々な症状が現れます。
副作用に十分気を付けつつ、抗精神病薬で統合失調症を治療しましょう。

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