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塩類下剤と糖類下剤の違いとは?種類ごとの下剤の作用・処方薬一覧と使用時に知っておきたいこと

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薬効分類
塩類下剤と糖類下剤の違いとは?種類ごとの下剤の作用・処方薬一覧と使用時に知っておきたいこと

お通じが3日以上なかったり、毎日排便があってもスッキリしないような状態を便秘といい、お腹の不快感に加えて肩こりや頭痛などの症状も現れることがあります。
便秘の原因は病気や体質、薬剤の副作用、生活習慣、ストレスなどの様々なものが考えられますが、自力で解消することが難しい場合には下剤を使って排便を促します。

今回は便秘の時に使用される塩類下剤や糖類下剤の作用に加えて、下剤を使用するうえで知っておきたいことを解説してきます。
それぞれの下剤の違いを知りたい方、下剤を正しく使用したい方は参考にしてください。

塩類下剤とは

塩類下剤は浸透圧性下剤に分類される非刺激性下剤と呼ばれる薬剤で、くせになりにくい特徴を持つ緩下剤です。
塩類下剤に使用される代表的な有効成分には、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウムがあります。

塩類下剤の作用

便秘は腸の働きが弱まってスムーズに排便できないことが原因の1つとされています。
塩類下剤を服用すると腸内の浸透圧が高まり、腸管内に水分が移動することで便が水分を含んで柔らかくなって排便しやすくします。
このように便の水分バランスを整えて排便を促すのが塩類下剤の特徴であり、効果を高めるためにはたくさんの水と一緒に服用することが大切です。

塩類下剤は古くから用いられている便秘薬で、刺激性下剤に比べて効果がマイルドである分、安全性が高いのが特徴です。
長く服用を続けてもくせになりにくく、効き目も落ちにくいと言われています。

また、塩類下剤のうち、酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムには胃酸を中和する作用もあるため、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の治療にも使用されます。
一方、硫酸マグネシウムは胆石症や頻脈性不整脈にも適応があります。

塩類下剤の処方薬・市販薬

酸化マグネシウムを主成分とする処方薬には散剤の酸化マグネシウム原末や酸化マグネシウム細粒、重質酸化マグネシウム、重カマ、マグミット細粒の他に、錠剤のマグミット錠、酸化マグネシウム錠などの処方薬があります。
酸化マグネシウムが配合された市販薬には、酸化マグネシウムのみが配合された「酸化マグネシウムE便秘薬」「スルーラックマグネシウム」といった製品や、酸化マグネシウムにプラスして整腸剤や食物繊維も配合している「ビオフェルミン酸化マグネシウム便秘薬」「コーラックファイバーplus」などの製品が販売されています。

さらに、硫酸マグネシウムが主成分の処方薬には散剤の硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウムが主成分の処方薬には錠剤のミルマグ錠や懸濁剤のミルマグ内用懸濁液7.2%があります。
硫酸マグネシウムが配合された市販薬には「ミルマグ内服液」「スラーリア便秘薬」などがあり、水酸化マグネシウムが配合された市販薬には「ミルマグ液」や「ザ・ガード整腸錠α3+」などがあります。

塩類下剤の用法用量

酸化マグネシウムを例にあげると、緩下剤として使用する場合には、通常成人は1日2gを食前または食後の3回に分けて服用するか、就寝前に1回服用します。
なお、制酸剤などの他の病気の治療に使用する時には、用法用量が異なりますので、医師や薬剤師、説明書の指示に従って使用してください。

塩類下剤の副作用・禁忌

酸化マグネシウムの場合は下痢や血清マグネシウム値の上昇といった副作用が見られることがあり、加えて、重篤な副作用の高マグネシウム血症や意識障害、心停止なども報告されています。
そのため、妊婦は有用性がリスクを上回る場合のみの使用とし、マグネシウムが身体に溜まりやすい高齢者には慎重投与、心機能や腎機能に障害がある方は注意して使用する必要があります。

また、他の薬剤の作用を弱める恐れがあるため、テトラサイクリン系抗生物質やニーキノロン系抗菌薬を始めとする複数の薬剤で併用注意とされています。
カルシウムを多く含む牛乳を大量摂取するとミルクアルカリ症候群を引き起こす可能性があるため、食べ合わせにも気をつけてください。

糖類下剤とは

糖類下剤も浸透圧性下剤に分類される下剤で、ラクツロースやD-ソルビトールといった有効成分が使用されています。

糖類下剤の作用

糖類下剤と塩類下剤の違いは、糖類下剤には塩類下剤の作用にプラスして腸を刺激して蠕動運動を促進させる作用がある点です。

糖類下剤の有効成分の1つであるラクツロースはもともと高アンモニア血症の治療薬として使用されていましたが、2018年に慢性便秘も適応となり、主に小児の便秘改善や産婦人科術後の排便促進、肝不全が原因の便秘改善に使用されるようになりました。

一方、D-ソルビトールは腸管の蠕動運動を緩やかに亢進して排便を促す作用があり、消化管のX線造影時のバリウムによる便秘を防止する目的で使用されます。
長期間服用しても高マグネシウム血症のリスクがないことから、透析患者に使用されることもあります。
塩類下剤と同じくくせになりにくい便秘薬です。

糖類下剤の処方薬・市販薬

糖類下剤の有効成分ラクツロースの処方薬には先発医薬品であるモニラック原末、モニラック・シロップ、ラグノスNF経口ゼリー、ラクツロース・シロップなどがあり、市販薬はありませんがオリゴ糖シロップなどの食品に使用されていることがあります。

D-ソルビトールの処方薬にはD-ソルビトール経口液やD-ソルビトール内用液があり、市販薬としては浣腸薬の「ミニカS」に配合されています。

糖類下剤の用法用量

糖類下剤のラクツロースシロップ65%を例にあげると、小児便秘の改善には通常1日0.5~2ml/kgを3回に分けて服用し、産婦人科後の排便促進には成人1日量30~60mgを朝夕2回に分けて服用します。

糖類下剤の副作用・禁忌

ラクツロースで多く見られる副作用は下痢で、その他に吐き気や腹痛、食欲不振などが起こる可能性があります。

ガラクトース血症の方は使用禁止、妊婦は有用性がリスクを上回る場合にのみ使用を検討するようにしてください。
加えて、糖尿病患者や高齢者も注意して使用しましょう。

飲み合わせにではα-グルコシダーゼ阻害剤などと併用すると腸内ガスが発生しやすくなり、下痢などの消化器症状が起こる恐れあるので注意が必要です。

下剤を使用するうえで知っておきたいこと

ここまで塩類下剤と糖類下剤について解説してきましたが、下剤は他にも種類があり、使用に注意が必要となるものもあります。
ここからは下剤を使用するうえで知っておきたいことを2つ紹介していきます。

刺激性下剤は使いすぎないように

塩類下剤と糖類下剤は浸透圧性下剤に分類される非刺激性下剤で、副作用こそあるものの、長期間使用してもくせになりにくい特徴を持つ緩下剤です。

一方、刺激性下剤に分類される下剤は腸を刺激して蠕動運動を促すことで排便を促進させる薬剤です。
刺激性下剤は刺激が強く、長期間服用していると蠕動運動が弱くなり、薬剤を飲まないと排便できなくなってしまう危険性があります。

さらに、刺激性下剤を服用すると大腸に便が溜まっていなくても蠕動運動を促進させます。
下剤を飲むと水っぽい下痢が出るような時には、腸が便を作っている途中で排便しているケースが多く、排便してもスッキリせず、お腹に違和感だけが残ることもあります。

刺激性下剤にはヒマシ油、センノシド、アロエエキス、ビサコジル、ピコスルファートナトリウムなどの成分があり、便秘に効果が期待できると販売されているセンナ茶にはセンノシドが含まれています。
刺激性下剤には自然由来の成分が多く、身体に優しそうなイメージがあるかもしれませんが、刺激が強く習慣性になりやすいため注意しなければなりません。

便秘を原因から改善する

塩類下剤や糖類下剤の非刺激性下剤も、ヒマシ油やセンノシドなどの刺激性下剤も、排便を促す効果があるものの、便秘の原因を根本から改善する効果はありません。
そのため、下剤を使用しながら生活習慣を改善して便秘にならないように気をつけていく必要があります。

便秘を改善するためには、食事と運動、排便習慣をつけることが大切です。
まず、便を柔らかくして排便しやすくするために1日1.2~1.5Lの十分な水分を摂取しましょう。
食事は便のかさを増やして蠕動運動を促進させる野菜やきのこ、海藻などの食物繊維を積極的に取り入れるよう心掛けください。

さらに蠕動運動を促す運動も日々取り入れます。
激しい運動をする必要はなく、散歩やジョギングなどの有酸素運動を1日30分を目安に行う程度でよいでしょう。

また、排便習慣を身につけるために規則正しい生活を送ります。。
毎朝決まった時間に起床して、朝日を浴びて体内時計をリセットすることで自律神経のバランスが整います。
そして、コップ一杯の水と十分な朝食を食べてからトイレに行くことを習慣化します。
時間に追われていると気が散ってうまく排便できないので、時間に余裕を持ってトイレに行けるようにタイムスケジュールを管理しておきましょう。

このように辛い時は下剤の力を借りつつ、自力で排便する力を養っていくことが便秘改善には重要なのです。

塩類下剤と糖類下剤は浸透圧性下剤に分類された非刺激性下剤

塩類下剤と糖類下剤はどちらも浸透圧を利用して腸内に水分を取り込み、便を柔らかくすることで排便を促す作用を持つ非刺激性下剤で、作用がマイルドなため、くせになりにくいのが特徴です。

一方、刺激性下剤は腸を刺激して蠕動運動を促進させる下剤で、刺激が強く習慣性があり、使いすぎると薬剤の刺激がないと排便できない体質になってしまうこともあるため、注意が必要です。

どちらの下剤も排便を促す作用はあるものの、便秘の原因の根本を改善する作用はありません。
食事・運動などの生活習慣を整えて体質を改善しながら、少しずつ排便習慣を身につけていきましょう。

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