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脳梗塞後遺症で使用するチアプリドはどんな効果がある?効果が出るまでの期間は?

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脳梗塞後遺症で使用するチアプリドはどんな効果がある?効果が出るまでの期間は?

脳の血管が詰まることで起きる脳梗塞はがん、心疾患に次ぐ日本人の死亡原因ですが、医学の進歩により一命を取りとめる例も多くなっています。
しかしながら、一命を取りとめたとしても運動麻痺や感覚障害、言語障害などの脳梗塞による後遺症が残るケースは少なくありません。
そして、場合によっては脳梗塞後遺症として精神的な症状が現れることもあります。

今回は脳梗塞後遺症の精神症状を改善するチアプリドの効果や効果が現れるまでの期間について解説していきます。
脳梗塞後遺症による暴言や暴力などの行動異常に悩んでいる方は参考にしてください。

脳梗塞後遺症とは

脳梗塞は脳血管障害とも呼ばれる脳卒中の中でも脳血管が狭くなったり、塞がってしまったりすることにより、血流が滞って脳の神経細胞に血液が行き渡らなくなる病気です。
脳梗塞後遺症には手や足が動かなくなる運動麻痺や、感覚が敏感になったり鈍感になったりする感覚障害、呂律が回りにくくなる構音障害に加えて、高次脳機能障害を発症することがあります。

高次脳機能障害には状況に合わせて感情や行動をコントロールするのが難しくなる社会的行動障害があり、発症すると短気になってすぐに暴力をふるったり、気に障ることがあると大きな声を出したりといった行動をするようになります。
このような精神の高ぶりを抑えて穏やかにする効果を持つ薬剤がチアプリドです。

脳梗塞後遺症に使われるチアプリドはどんな薬?

チアプリドはベンザミドの第1世代抗精神病薬に分類される薬剤でグラマリール細粒10%、グラマリール錠25mg、グラマリール50mgといった先発医薬品と、チアプリド細粒10%、チアプリド錠25mg、チアプリド錠50mgといった後発品があります。

チアプリドの効果

チアプリドがドパミンD2受容体に選択的に作用することによって精神的な興奮や混乱を抑え、脳梗塞後遺症による精神興奮や攻撃的行為、せん妄、徘徊といった不穏を改善します。
さらにドパミン系神経が過剰になることで起きる手や足、口元の異常な動きをする特発性ジスキネジアやパーキンソニズムのジスキネジアにも適応があります。

また、通常は服用から数日から1週間ほどで効果が出ることが多いですが、3~4週間かかったというデータも報告されています。

ただし、チアプリドは抗精神病薬であることから精神症状に対する対症療法として使用されますが、根本的な脳機能の回復を目指す薬剤ではありません。
そのため、薬剤の効果を過信せず、リハビリや日々の生活習慣の見直しによる総合的な治療に取り組む姿勢が大切です。

チアプリドの用法用量

チアプリドは脳梗塞後遺症に伴う精神症状や特発性ジスキネジアに使用する場合と、パーキンソニズムに伴うジスキネジアのに使用する場合とで用法用量が少し異なるので注意してください。
チアプリドは通常成人はチアプリドに換算して1日75~150mgを3回に分けて服用しますが、パーキンソニズムに伴うジスキネジアに使用する場合は1日1回25mgから使用することが望ましいとされています。

用法用量を守って服用することはもちろん、自己判断で勝手に中止するのも控えてください。
突然チアプリドをやめてしまうと症状が再発したり、悪化することがあるため、医師の指示のもとで徐々に減量していくようにしましょう。

チアプリドの副作用

チアプリドには眠気、ふらつき、倦怠感などの副作用が現れる可能性があるため、服用中は乗り物の運転や危険な機械操作などは禁止です。
それに加えて筋肉がこわばる錐体外路症状、パーキンソン症候群、震えなどが起きることがあり、ふらつきなどの症状と合わさると転倒のリスクが高まるので注意してください。
他にも吐き気や口渇といった消化器症状、便秘、高プロラクチン血症による生理不順や乳汁分泌、男性の乳房が膨らむなどの副作用が見られる恐れがあります。

さらに重篤な副作用としてごく稀に悪性症候群や重い不整脈、昏睡などの報告があります。
身体が硬直したり、意識障害が起きたりするような時には速やかに医療機関を受診しましょう。

また、応用としてチアプリドを認知症などにおける興奮や幻覚などの精神症状の改善に使用する場合もありますが、あくまで対症療法であって認知症そのものを改善する効果はありません。
抗精神病薬は認知機能に影響を及ぼす可能性もあるため、行動や言動に悪い変化が現れた時には、医師に相談して指示を仰いでください。

チアプリドの禁忌

チアプリドはプロラクチノーマやプロラクチン分泌性下垂体腫瘍の患者さんの使用は禁止、妊婦や過去にチアプリドでアレルギー反応を起こしたことがある方も使用を避けるべきとされています。
さらに褐色細胞腫、重篤な循環器障害、腎障害、低カリウム血症の患者さんや、高齢者は慎重に使用する必要があります。

飲み合わせに関しては、他の脳の興奮を抑える作用を持つハロペリドールやクロルプロマジンなどと併用すると副作用が強まる可能性がある一方で、レボドパなどのパーキンソン病の薬剤と併用するとそれぞれの薬剤の作用が減弱してしまいます。
他にもメトクロプラミドといった吐き気止めと併用すると震えや内分泌異常が起こりやすくなるので注意してください。
アルコールも眠気やふらつき、倦怠感などの副作用が発症しやすくなるので、チアプリドを服用中の飲酒は控えましょう。

なお、薬剤の用法用量や禁忌、飲み合わせに関する内容は患者さん本人だけでなく、可能であればご家族も理解しておくことをおすすめします。

脳梗塞後遺症の不穏状態とケア

脳梗塞の後遺症として現れる症状の1つに不穏状態があります。
不穏状態はチアプリドなどの薬物療法だけでなく、様々な側面からケアしていくことが大切であることから、医師や看護師、家族で協力してアプローチしていきましょう。

不穏状態とは

不穏状態とは精神的に落ち着きがなく、不安感や混乱、焦燥に駆られて、時には攻撃的な行動を示す状態です。
落ち着きがなく歩き回ったり、突然意味の分からないことを話し始めたり、大声で叫んで暴れたりする意識障害の1つです。

こうした不穏状態は脳の損傷部位や性格的な傾向、さらには入院やリハビリなど環境の変化によるストレスが原因で発症することが多いといわれています。

不穏状態のケア

チアプリドはこうした状態を緩和する目的で処方される抗精神病薬ですが、治療においてはチアプリドだけに依存するのではなく、家族の接し方や環境を整備することも非常に重要です。

不穏状態は気持ちを落ち着かせることが大切なので、まずはストレスとなっているものや行動を減らすようにしていきます。
例えば、部屋の照明や音量、訪問者との会話のタイミング、ベッド周囲の整理整頓などの環境を整えて安心できる環境を作ります。

さらに不穏状態の方は混乱しやすいので、一定のルーチンを作って患者さんの日常生活に近い状態を作り出し、不安を軽減することも大切です。
また、家にあるアイテムや家族写真を飾ったり、起床就寝や食事の時間を一定にしたりといった普段の生活に近い状態を作り出すことも有効と考えられます。

そして、家族全員が不穏状態に理解を示し、患者さんに寄り添ったコミュニケーションを取ることも忘れないでください。
声の大きさや口調などに注意して、不用意に刺激を与えないよう、優しい雰囲気で話しかけましょう。
この時、理解しやすいようにゆっくり喋ったり、目線を合わせて患者さんの話を丁寧に聞いたりすることも大切です。
これらのケアは不穏状態を招かないためにも、症状が出ていない時も行いましょう。

このようにチアプリドのみに頼らず、患者さんの気持ちに寄り添った人間らしいケアを行うことが、不穏状態の改善には不可欠です。
医師や看護師、家族と協力しながら、様々な方法で不穏状態に対応していきましょう。

チアプリド以外の脳梗塞後遺症に使用する薬

脳梗塞後遺症は不穏などの精神症状の他に、筋肉のつっぱりやうつ状態などの症状が起こることがあります。

筋肉のつっぱりは正式には痙縮といい、筋肉が過剰に緊張することで手足が動きにくくなったり、勝手に動いてしまったりします。
さらに手指が開きにくく握ったままになることや肘が曲がったままになることによって日常生活に支障が出てしまうこともあるため、バクロフェンやチザニジンといった筋弛緩薬を使用して治療していきます。

脳梗塞後の抗うつは脳卒中後うつとも呼ばれ、無気力や意欲の低下などが現れることがあることから、治療にはセルトラリンやパロキセチンをはじめとする抗うつ薬を使用していきます。

また、脳梗塞は再発しやすい病気であることから、血栓形成を抑制する抗血栓薬も併用するケースが多いです。
抗血栓薬には、血小板の凝集を防ぐ作用を持つアスピリンやチクロピジンなどの抗血小板薬や、血液をサラサラにして流れを改善するワルファリンやダビガトランなどの抗凝固薬があります。

これら血栓形成を抑制する薬剤は脳梗塞の再発を予防するために長期間飲み続けなければなりませんが、もし副作用などで継続するのが難しい場合には医師に相談してみましょう。

チアプリドは脳梗塞後遺症の精神症状を改善する薬

チアプリドはベンザミドの第1世代抗精神病薬に分類される薬剤でグラマリールなどの先発医薬品があります。
精神の興奮を抑える作用があり、脳梗塞後遺症による精神興奮や攻撃的行為、せん妄、徘徊といった不穏を改善するのに用いられます。

ただし、不穏などの精神症状に対してはチアプリドを服用するだけでなく、日常生活でのケアも重要です。
ストレスの原因を減らし、患者さんが安心できるようにこれまでの日常生活に近いルーチンを心掛けていきましょう。
また、患者さんに刺激を与えないようにコミュニケーションの取り方について家族で話し合っておくことも大切です。

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