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葉酸代謝拮抗薬の適応疾患を詳しく紹介|作用機序も徹底解説

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葉酸代謝拮抗薬の適応疾患を詳しく紹介|作用機序も徹底解説

「葉酸代謝拮抗薬はどんな疾患に用いられているの?」
「葉酸代謝拮抗薬が作用するメカニズムは?」
このような疑問を持っている人は少なくないのではないでしょうか。

本記事では、葉酸代謝拮抗薬の種類や用いられている疾患について詳しく紹介します。
抗がん作用と抗炎症作用に分けて、作用機序についても徹底解説。

本記事を読めば、葉酸代謝拮抗薬について理解を深められます。
興味がある人はぜひ最後までご覧ください。

代謝拮抗薬とは?

代謝拮抗薬とは、核酸の材料である「ヌクレオチド」の合成を阻害する薬剤です。
主な核酸としてDNAとRNAがありますが、代謝拮抗薬は遺伝子の本体であるDNAの合成を抑制します。

DNAの合成経路のどこを阻害するかによって、代謝拮抗薬は以下3つに分類されます。

  • 葉酸代謝拮抗薬
  • ピリミジン拮抗薬
  • プリン拮抗薬

葉酸代謝拮抗薬について詳しく見ていきましょう。

3つの葉酸代謝拮抗薬

葉酸代謝拮抗薬には3つの種類があり、以下のようにそれぞれ特徴が異なります。

薬剤名 メトトレキサート ペメトレキセド プララトレキサート
投与経路 ・内服
・注射
注射 注射
主な適応症 ・白血病
・悪性リンパ腫
・絨毛性疾患
・乳がん
・胃がん
・肉腫
・尿路上皮がん
・間接リウマチ
・非小細胞肺がん
・悪性胸膜中皮腫
・悪性リンパ腫
主な副作用 ・骨髄抑制
・間質性肺炎
・粘膜障害
・骨髄抑制
・間質性肺炎
・口内炎
・骨髄抑制
・間質性肺炎

葉酸代謝拮抗薬の適応疾患:①腫瘍性疾患

葉酸代謝拮抗薬は、腫瘍性疾患(がん)に対して広く使われています。
具体的な適応疾患は以下の通りです。

  • 急性リンパ性白血病
  • 悪性リンパ腫
  • 絨毛がん
  • 乳がん
  • 膀胱がん
  • 非小細胞肺がん
  • 悪性胸膜中皮腫

それぞれについて見ていきましょう。

①急性リンパ性白血病

急性リンパ性白血病は、血液をつくる骨髄の中で異常なリンパ球が急激に増える病気です。
子どもから大人まで発症しますが、特に小児に多く見られます。
正常な血液細胞が作れなくなるため、貧血や感染症、出血などの症状が出ます。

治療は抗がん剤を使う化学療法が中心です。
再発・重症の場合には、造血幹細胞移植が行われることもあります。

②悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は、リンパ球という免疫に関わる細胞が異常に増殖する血液のがんです。
初期症状として、首やわきの下のリンパ節の腫れがよくみられます。
風邪と似た症状のこともあり、気づきにくいケースも少なくありません。

悪性リンパ腫は、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別されます。
治療は化学療法や放射線療法、抗体薬などを組み合わせて行われます。

③絨毛がん

絨毛がんは、胎盤を構成する絨毛という組織ががん化して起こります。
主な症状は、異常出血や下腹部痛などです。

血液検査にて、hCGというホルモンの値が高くなります。
抗がん剤に非常によく反応するため、治療すれば完治する可能性も比較的高いです。

④乳がん

乳がんは乳腺にできるがんで、女性において最も罹患率が高いがんです。
しこりや乳頭からの分泌物、皮膚のへこみなどが初期症状としてみられます。

定期的な自己チェックや、マンモグラフィーなどの検査で早期発見が可能です。
治療には手術や抗がん剤、ホルモン療法や放射線治療などがあります。

⑤膀胱がん

膀胱がんは膀胱にできるがんであり、主な症状は痛みのない血尿です。
喫煙や化学物質への長期的な曝露がリスクを高めます。

膀胱鏡という、膀胱内をカメラで見る検査で診断されます。
主な治療は、内視鏡での切除や膀胱内に薬剤を入れる治療、手術療法などです。
内視鏡治療だけで治る場合もありますが、再発するケースも多いため経過観察が大切です。

⑥非小細胞肺がん

肺がんは、大きく非小細胞肺がんと小細胞肺がんに分かれます。
非小細胞肺がんは約85%を占め、進行は比較的ゆっくりです。
咳・息切れ・血痰などが症状として出ます。

診断するためには画像検査や細胞診検査が必要です。
治療には手術・放射線治療・抗がん剤・分子標的薬などがあります。
進行度やがんのタイプにより治療法が選択されます。

⑦悪性胸膜中皮腫

悪性胸膜中皮腫は、肺を包む胸膜にできる稀ながんです。
主な原因はアスベスト(石綿)への長期間の曝露です。
主な症状として、息切れや胸の痛み、咳などが挙げられます。

診断のため、画像検査や胸膜からの細胞検査が行われます。
治療として手術や抗がん剤、放射線療法などが行われますが、完治は難しいと言わざるを得ません。

葉酸代謝拮抗薬の適応疾患:②関節リウマチ

関節リウマチとは、慢性的に関節炎が持続する自己免疫疾患です。
※自己免疫疾患:外敵から身を守るための免疫システムが、自分の組織を攻撃する疾患

以下の観点から解説していきます。

  • 疫学
  • 発症メカニズム
  • 関節症状
  • 関節外症状
  • 治療

それぞれについて見ていきましょう。

疫学

関節リウマチは、自己免疫疾患の中でも特に頻度が高い疾患であり、日本における有病率は0.6%~1.0%と報告されています。
男女比は1:3~4と女性に多いです。
40~50歳代での発症が多くみられますが、20歳代や60歳代で発症するケースもあります。

発症メカニズム

関節リウマチの発症には、遺伝因子と環境因子の両方が関与していると考えられています。

遺伝因子 HLA-DR4陽性など
環境因子 喫煙や感染症など

これらの要因により自己免疫反応が誘発されます。
そして、関節を構成する組織である「滑膜」に炎症が生じ、関節の破壊が進行します。

関節症状

関節リウマチでは、全身の関節に炎症が発生する可能性があります。

小関節 ・手関節
・手指関節(MP関節、PIP関節)
・足趾関節(母趾MTP関節、PIP関節)
大関節 ・環軸関節
・肩関節
・肘関節
・股関節
・膝関節
・足関節

関節リウマチによる関節炎の特徴は、起床直後にこわばりがみられる点です。
朝のこわばりは主に手指にみられ、長時間持続します。

関節症状として最も注意すべきであるのが、環軸関節の亜脱臼です。
頸髄が圧迫されることで、頭痛や運動麻痺、感覚障害などが生じます。
最悪の場合には呼吸困難を引き起こし、命に関わる場合もあります。

関節外症状

関節リウマチでは、関節以外に症状が発生する場合もあります。
代表的な関節外症状は以下の通りです。

神経 手根管症候群
間質性肺炎、肺線維症、胸膜炎、胸水貯留
腎臓・消化器 続発性アミロイドーシス
上強膜炎、強膜炎、ドライアイ、乾燥性角結膜炎
皮膚 皮下結節
心臓 心膜炎
全身症状 貧血、発熱、全身倦怠感、易疲労感、体重減少

治療

関節リウマチに対する治療の中心は薬物療法です。
主に以下の薬剤が用いられています。

  • 免疫調節薬
  • 免疫抑制薬
  • 生物学的製剤
  • 分子標的型抗リウマチ薬
  • NSAIDs
  • ステロイド
  • ヒアルロン酸製剤

このうち、葉酸代謝拮抗薬であるメトトレキサートは免疫抑制薬に該当します。
また、薬物療法では効果が不十分な場合、手術療法が行われることもあります。

葉酸代謝拮抗薬の作用機序

葉酸代謝拮抗薬の作用機序について、抗がん作用と抗炎症作用に分けて見ていきましょう。

①抗がん作用

葉酸は細胞内で、「ジヒドロ葉酸還元酵素」という酵素の作用により、「テトラヒドロ葉酸」に変化します。
テトラヒドロ葉酸は「チミジル酸合成酵素」という酵素を活性化し、チミジル酸合成酵素はDNAの合成を進めるうえで欠かせません。

葉酸代謝拮抗薬は、ジヒドロ葉酸還元酵素の作用を阻害することで、テトラヒドロ葉酸の生成を抑制します。
その結果、チミジル酸合成酵素が活性化しなくなり、DNAの合成が抑制されるのです。
また、3つの葉酸代謝拮抗薬のうちペメトレキセドは、チミジル酸合成酵素を直接的に阻害する作用も有しています。

②抗炎症作用

葉酸代謝拮抗薬が持つ抗炎症作用を理解するうえで、重要となるのが以下の物質です。

アデノシン 免疫に関わる白血球の機能や、炎症を惹起する物質「サイトカイン」の産生を抑制する
アデノシンデアミナーゼ アデノシンを分解する

関節リウマチの患者さんでは、関節内でアデノシンデアミナーゼが活性化しています。
活性化したアデノシンデアミナーゼによりアデノシンの分解が亢進すると、白血球機能やサイトカインの産生が抑制されなくなります。
そのため、関節における炎症が持続するのです。

ここで、葉酸代謝拮抗薬であるメトトレキサートには、アデノシンデアミナーゼを阻害する作用があります。
その結果、アデノシンがあまり分解されなくなり、白血球機能やサイトカイン産生を抑制することで抗炎症作用を発揮できるのです。

まとめ:葉酸代謝拮抗薬で腫瘍性疾患や関節リウマチを治療しよう

葉酸代謝拮抗薬は、核酸の材料である「ヌクレオチド」の合成を阻害する薬剤です。
メトトレキサート・ペメトレキセド・プララトレキサートの3種類が使用されており、それぞれ適応疾患や副作用が異なります。

葉酸代謝拮抗薬は抗がん作用と抗炎症作用を有しており、様々な腫瘍性疾患や関節リウマチに対して用いられています。
作用機序や副作用を理解して、葉酸代謝拮抗薬を治療に役立てましょう。

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