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カルシウム拮抗薬+スタチン配合薬の作用を徹底解説|服薬上のメリットや注意点も紹介

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カルシウム拮抗薬+スタチン配合薬の作用を徹底解説|服薬上のメリットや注意点も紹介

「カルシウム拮抗薬+スタチン配合薬はどんな疾患に対して用いられているの?」
「2つの薬剤が合わさっているメリットは?」
このような疑問を持っている人は少なくないのではないでしょうか。

本記事では、カルシウム拮抗薬+スタチン配合薬が用いられている疾患や作用するメカニズムを徹底解説。
カルシウム拮抗薬+スタチン配合薬の服薬上のメリットや、注意すべき点も紹介します。

本記事を読めば、カルシウム拮抗薬+スタチン配合薬について理解を深められます。
興味がある人はぜひ最後までご覧ください。

カルシウム拮抗薬の適応疾患:①高血圧

「血圧が高いですね」
病院や健康診断などで、このように言われたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そもそも血圧とは何なのか、いくつ以上で高血圧と診断されるのか、それぞれについて見ていきましょう。

血圧の意味

動脈の血管内壁にかかっている圧力のことを、血圧と言います。
血圧に関与する要素は以下の2つです。

血圧=心拍出量(心臓から全身へ送られる血液の総量)×末梢血管抵抗(末梢血管での血液の流れにくさ)

心拍出量
心臓が収縮する力や体内の血液量から決定されます。
(心臓の収縮する力が強く、体内の血液量が多いほど心拍出量が大きい)
末梢血管抵抗
末梢血管の内腔径や血管内壁の硬さから決定されます。
(内腔径が小さく、血管内壁が硬いほど末梢血管抵抗が大きい)

高血圧の定義

高血圧の定義は、診察室血圧と家庭血圧で異なります。

診察室血圧
病院や健康診断で測定した血圧
家庭血圧
自宅等リラックスした環境で測定した血圧

以下の表で、自分が高血圧であるのかどうかチェックしてみましょう。

分類 診察室血圧(mmHg)家庭血圧(mmHg)
収縮期血圧条件拡張期血圧収縮期血圧条件拡張期血圧
正常血圧<120かつ<80<115かつ<75
正常高値血圧120-129かつ<80115-124かつ<75
高値血圧130-139かつ/または80-89125-134かつ/または75-84
Ⅰ度高血圧140-159かつ/または90-99135-144かつ/または85-89
Ⅱ度高血圧160-179かつ/または100-109145-159かつ/または90-99
Ⅲ度高血圧≧180かつ/または≧110≧160かつ/または≧100
収縮期高血圧≧140かつ<90≧135かつ<85

カルシウム拮抗薬の適応疾患:②狭心症

全身に血液を送るための臓器として、絶え間なく活動しているのが心臓です。
そんな心臓が働き続けるためには、心臓自身も酸素や栄養を受け取らなければなりません。

心臓に酸素や栄養などを届けている血管を、「冠動脈」と言います。
そして、狭心症とは冠動脈が何らかの理由で狭くなり、心臓に届く血流が不足する疾患です。

狭心症は、発生するメカニズムや症状から以下の3つに分類されます。

  • 労作性狭心症
  • 冠攣縮性狭心症
  • 不安定狭心症

ここからは、カルシウム拮抗薬が用いられている労作性狭心症と冠攣縮性狭心症について見ていきましょう。

労作性狭心症

私たちは運動する時、平常時よりも多くの酸素が必要です。
そのため、冠動脈は運動時に拡張するようになっています。

しかし、動脈硬化により冠動脈が狭窄していると、運動時でも十分に拡張できません。
その結果、心臓に届けられる酸素が不足してしまうのが労作性狭心症です。
症状として、約3~5分間の前胸部の絞扼感や圧迫感などがみられます。

冠攣縮性狭心症

冠攣縮性狭心症とは、冠動脈の攣縮(けいれん)により冠動脈が狭窄・閉塞する疾患です。
冠動脈の攣縮は夜間~早朝・安静時に起こりやすく、動脈硬化がある部位で発生しやすいと報告されています。

労作性狭心症と同様に、前胸部の絞扼感の圧迫感が主な症状です。
持続時間は少し長く、約数分~15分症状が続きます。

カルシウム拮抗薬が作用するメカニズム

カルシウム拮抗薬は、血管を構成する「血管平滑筋細胞」や、心臓を動かす筋肉を構成する「心筋細胞」に作用します。
それぞれの細胞に対する作用を見ていきましょう。

血管平滑筋細胞への作用

カルシウム拮抗薬は血管平滑筋細胞に作用して、血管を構成する筋肉「血管平滑筋」を弛緩させます。
その結果として起こるのが、細動脈の拡張と冠動脈の攣縮抑制です。

細動脈が拡張すると末梢血管抵抗が小さくなるので、血圧が低下します。
そのため、カルシウム拮抗薬は高血圧に対して用いられているのです。
また、冠動脈の攣縮が抑制されるので、冠攣縮性狭心症に対して用いられています。

心筋細胞への作用

カルシウム拮抗薬は心筋細胞に作用して、心筋細胞の興奮性を低下させます。
その結果、心筋の活動性が抑制され心臓の収縮力が低下します。

収縮力が低下すると、心臓が必要とする酸素の量も少なくなります。
そのため、労作性狭心症に対して用いられているのです。

スタチンの適応疾患:脂質異常症

高血圧と同様に、脂質異常症も代表的な生活習慣病の一つです。
診断基準と、脂質異常症が動脈硬化を引き起こす理由について見ていきましょう。

脂質異常症の診断基準

脂質異常症の診断基準は以下の通りです。

高LDLコレステロール血症LDLコレステロール:140mg/dL以上
境界域高LDLコレステロール血症LDLコレステロール:120~139mg/dL
低HDLコレステロール血症HDLコレステロール:40mg/dL未満
高トリグリセライド血症トリグリセライド:150mg/dL以上

以上のうち、スタチンは高LDLコレステロール血症に対して用いられています。

脂質異常症が動脈硬化を引き起こす理由

LDLの役割は、コレステロールを末梢の組織に供給することです。
しかし、末梢組織の需要がなくなってコレステロールを抱えたままのLDLは、動脈の内壁に蓄積していきます。

内壁に蓄積したLDLは、酸化・変性して動脈硬化の原因となります。
また、トリグリセライドの増加も動脈硬化の原因の一つです。

スタチンが作用するメカニズム

LDLが末梢組織に供給しているコレステロールは、肝臓にて合成されています。
コレステロールが合成されるまでの経路は以下の通りです。

アセチルCoA→HMG-CoA→メバロン酸→コレステロール

ここで、HMG-CoA→メバロン酸という反応を進めるためには、「HMG-CoA還元酵素」という物質が必要です。
そして、スタチンの作用はHMG-CoA還元酵素の阻害であるため、コレステロールの合成を抑制できます。
そのため、スタチンは高LDLコレステロール血症に対して用いられているのです。

高血圧と脂質異常症がリスクとなる疾患

高血圧と脂質異常症の両方がリスクとなる疾患として、代表的なものが脳卒中と心筋梗塞です。
それぞれについて見ていきましょう。

脳卒中

脳卒中とは、脳の血管が破れて出血する疾患「脳出血」と、脳の血管が詰まる疾患「脳梗塞」の総称です。
それぞれの病態とみられる症状は以下の通りです。

疾患 病態 主な症状
脳出血 出血した血が脳の組織を圧迫する 意識障害、手足の麻痺、頭痛、吐き気
脳梗塞 血流が届かなくなった脳の組織が壊死する 顔や手足の麻痺、言語障害、一時的に片眼が見えなくなるなどの前駆症状

心筋梗塞

心筋梗塞とは、冠動脈が完全に閉塞してしまう疾患です。
閉塞した先に酸素が供給されなくなるため、該当する領域の心筋が壊死します。

心筋梗塞でみられる主な症状は以下の通りです。

  • 前胸部を締め付けられるような強い痛み
  • 肩・腕などに広がる痛み
  • 呼吸困難
  • 悪心・嘔吐
  • 失神

すぐに治療を開始しなければ、命にかかわる恐ろしい疾患です。

カルシウム拮抗薬+スタチン配合薬のメリット

高血圧と脂質異常症を合併すると、脳卒中や心筋梗塞の発症リスクが高くなります。
そして、両疾患を合併している人は少なくないのが現状です。

しかし、高血圧と脂質異常症はどちらも、治療が長期間に及ぶケースが多いです。
そのため、服薬アドヒアランスの低下が問題視されています。
(※服薬アドヒアランス:医師の指示に従い患者さんが薬剤を服用すること)

そこで効果を発揮するのが、本記事で紹介しているカルシウム拮抗薬+スタチン配合薬です。
服用する錠数を2→1に減らせるため、服薬アドヒアランスの向上が期待できます。

カルシウム拮抗薬+スタチン配合薬の注意点

カルシウム拮抗薬+スタチン配合薬の副作用と、飲み合わせに関する注意点を紹介します。

副作用

カルシウム拮抗薬+スタチン配合薬では、以下の副作用が起こる可能性があります。

精神神経症状頭痛やめまい、ふらつきなど
循環器症状動悸やむくみ、ほてりなど
肝機能障害倦怠感や食欲不振、黄疸、悪心・嘔吐など

飲み合わせに関する注意点

カルシウム拮抗薬+スタチン配合薬の飲み合わせに関する注意点は以下の通りです。

フィブラート系薬剤
(高トリグリセライド血症治療薬)
併用により、副作用として横紋筋融解症(骨格筋組織が分解する疾患)を発症しやすくなる
グレープフルーツジュース グレープフルーツに含まれる成分により薬剤の代謝が阻害され、薬剤の血中濃度が上昇し、降圧作用などが増強する

まとめ:カルシウム拮抗薬+スタチン配合薬で脳卒中・心筋梗塞を予防しよう

代表的な生活習慣病として、高血圧と脂質異常症が挙げられます。
高血圧の治療薬であるカルシウム拮抗薬と、脂質異常症の治療薬であるスタチンを合わせたものが、カルシウム拮抗薬+スタチン配合薬です。

2つの薬剤が合わさったことで、高血圧と脂質異常症を合併した患者さんの服薬アドヒアランス向上が期待できます。
カルシウム拮抗薬+スタチン配合薬で、脳卒中や心筋梗塞を予防しましょう。

このコラムの執筆者

笹島 遼介のアイコン
笹島 遼介
薬剤師
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2016年より調剤薬局を中心に地域医療に携わり、患者の日常に寄り添った服薬支援を実践。

花粉症や糖尿病など、長期治療が必要な慢性疾患に幅広く対応している。

現在は慢性疾患や生活習慣病に関する正確で実用的な知識をWebメディアで発信中。

些細な不安や疑問にも耳を傾け、共に解決策を見出す姿勢を大切にしている。

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