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硝酸薬の硝酸イソソルビドテープは何の薬?テープを貼る場所や効果発現時間と副作用・禁忌

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硝酸薬の硝酸イソソルビドテープは何の薬?テープを貼る場所や効果発現時間と副作用・禁忌

狭心症などの心疾患に使用される硝酸イソソルビドテープは、皮膚に貼ることで有効成分を体内に取り込む経皮吸収型の硝酸薬です。
貼付するだけで安定した効果が得られるため、飲み忘れを防ぎやすいなどのメリットがあります。

今回は硝酸イソソルビドテープの効果や副作用、貼る場所などについて解説します。
内服薬との違いについても紹介しますので、硝酸薬について学びたい方は参考にしてください。

硝酸薬の硝酸イソソルビドテープとは

硝酸薬に分類される硝酸イソソルビドテープは硝酸イソソルビドを主成分とする薬剤で、先発医薬品と後発医薬品の両方が存在します。
先発医薬品はトーアエイヨーのフランドテープで、後発医薬品は複数の製薬会社から硝酸イソソルビドテープという名前の商品が販売されています。
以前は二トラステープやリファタックテープ、イソピットテープなどもありましたが、すでに終売となっています。

先発医薬品のフランドテープと後発医薬品の硝酸イソソルビドテープは同じ有効成分を含むことから同様の効果が期待できるとされていますが、添加物や粘着性などは異なり、使用感の違いを感じることもあるため注意してください。

硝酸イソソルビドテープの効果

硝酸薬は体内に入ると代謝されて最終的に一酸化窒素を生成し、血管壁などの細胞に作用して血管を広げることで、心臓にかかる負担を軽減し、狭心症の症状を改善します。
硝酸薬には狭心症の発作予防を目的とした持効性の薬剤と、発症した発作を止める速効性の2種類の薬剤があり、硝酸イソソルビドテープは前者の狭心症の発作予防を目的とする持効性の薬剤です。

持効性の硝酸イソソルビドテープは貼付剤なので、皮膚に直接貼ることで有効成分の硝酸イソソルビドが皮膚から吸収されて効果があらわれます。
この有効成分の吸収は少しずつ行われ、長時間にわたり安定して効果が維持されます。

このような狭心症の発作予防の効果を持つ硝酸イソソルビドテープは、発症した発作を止める速効性については期待できません。
発作の抑制には、硝酸薬の舌下剤やスプレー剤を使用します。

イソソルビドテープの効果の発現時間と貼る場所

硝酸イソソルビドテープの効果の発現時間は一般的に数時間とされ、貼付から約6時間で十分な効果が得られ、48時間後でも安定した血中濃度であるというデータが報告されています。
そのため、24時間または48時間に1回皮膚へ貼付するよう、医師から指示されるケースが多くなっています。

イソソルビドテープを貼る場所は胸部・上腕部・背部のいずれかとされ、体毛が少なく清潔で乾いた柔らかすぎない皮膚が適しています。
このような場所であれば、しっかりと密着して安定した効果が得られるでしょう。
反対に汗をかきやすい場所や皮膚の炎症が見られる場所に塗布すると、はがれやすくなったり、皮膚トラブルを引き起こしたりする可能性があるので避けてください。

また、イソソルビドテープを貼る場所は貼付の度に変えることをおすすめします。
毎度同じ場所に貼り続けると皮膚かぶれなどの副作用があらわれやすくなるため、皮膚の状態を観察しながら、日ごとにローテーションを決めて貼るとよいでしょう。

もし、イソソルビドテープを貼り忘れた場合には、気が付いた時に1回分だけ貼り、絶対に2回分を同時に貼るようなことはしないでください。
その後の貼り替えは、貼り直しをしてから24時間または48時間の医師に指示されたタイミングで行います。

硝酸イソソルビドテープの副作用

硝酸イソソルビドテープの副作用に多くみられるのが頭痛で、血管を拡張する薬剤の作用によって脳の血流も増加することが原因といわれます。
他にもめまいやふらつき、顔のほてり、吐き気、動悸などの症状が出ることがあり、特に立ち上がった時に血圧が急激に下がる起立性低血圧には注意が必要です。
高齢者では転倒によるケガのリスクに繋がるため、貼付直後や姿勢を変える時はゆっくりと動くように意識してください。

また、テープ剤のため、皮膚のかゆみ、発疹、赤みなどがあらわれることもあります。
これらは毎度貼る場所を変えることや、皮膚状態の悪いところに貼らないことで軽減されますが、症状がひどい時には医師に相談するとよいでしょう。

このような副作用の可能性があるため、硝酸イソソルビドテープの使用中は乗り物の運転や危険を伴う機械操作はしないでください。

硝酸イソソルビドテープの禁忌

硝酸イソソルビドテープは過去に硝酸薬で過敏症を起こした方、重度の貧血・低血圧、心原性ショック、頭部外傷、脳出血、閉塞隅角緑内障の方は使用禁止、妊婦においては有用性がリスクを上回る場合のみ使用できる相対禁止です。
さらに肝機能障害、原発性肺高血圧症、肥大型閉塞性心筋症の方、授乳婦、小児、高齢者は副作用が出やすいことから、注意して使用する必要があります。

また、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を持つ薬剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を持つ薬剤との併用は、急激に血圧が下がり命に危険が及ぶ場合があるので禁止されています。
他にも降圧薬や利尿薬なども相互作用によって血圧が下がりすぎてしまう可能性があるため、併用を希望する場合は医師や薬剤師に相談してください。
アルコールも副作用を強める恐れがあるため、硝酸イソソルビドテープを使用中は飲酒を控えましょう。

硝酸イソソルビドテープと内服薬との違いと切り替え

硝酸イソソルビドには、テープ剤のほかに錠剤や徐放錠といった内服薬も存在し、それぞれに異なる特徴があることから、症状や身体の状態に応じて使い分けられています。

これまで解説した通り、硝酸イソソルビドテープは皮膚からゆっくり薬剤を吸収する持効性の硝酸薬で、発作の予防を目的として使用され、血中濃度を長時間維持しやすい特徴があります。
1日1回以下の貼付で済むことから日中に薬剤を飲めない方や飲み忘れてしまう方、嚥下機能が低下している方などは内服薬よりも使用しやすいでしょう。
また、副作用の胃腸症状が辛い方もテープ型の方が向いているといえます。

これに対して内服薬には発作を予防する持効性と、起きた発作を鎮める速効性の2種類の硝酸薬があります。
持効性の内服薬にはカプセル剤や錠剤があり、1日2回服用するものが多く、速効性の内服薬には舌の上で溶かす舌下錠や口内に噴霧するスプレー剤などがあります。

テープ型と内服薬の切り替えは効果のあらわれ方や副作用の発現状況、生活の利便性などの理由で検討します。
体質や薬剤の耐性の問題などを起こさないためにも自己判断で変更するのではなく、必ず医師の指示に従ってください。

硝酸イソソルビドテープ以外の治療法

狭心症の治療には硝酸イソソルビドテープなどの薬物療法が一般的ですが、症状の重さや原因となる動脈硬化の進行度によっては、ほかの治療法が選ばれることもあります。

まず、薬物治療では硝酸薬以外に、カルシウム拮抗薬やβ遮断薬などがあり、それぞれ異なる作用機序で心臓の負担を軽減します。
カルシウム拮抗薬は血管を拡張することで血圧を下げて心臓へ酸素を送る働きがあり、β遮断薬は心拍数や心筋の収縮力を抑えることで、心臓の仕事量を減らします。
これらの薬剤は、狭心症のタイプや患者さんの状態に合わせて併用されることもあります。

薬剤だけで十分な効果が得られない場合には、カテーテル治療や感動脈バイパス手術といった治療法が検討されます。
カテーテル治療では細い管を用いて狭くなった血管を広げるステント留置などの処置を行って、血流を回復させます。
カテーテル治療は身体への負担が比較的少ないため、高齢者や心臓疾患のリスクがある患者さんに行われることが多い治療法です。

一方、バイパス手術は新たな血管の通り道を作る方法で、複数の血管が詰まっている場合や、カテーテル治療が難しい場合に適用されます。
手術後の回復には時間がかかりますが、長期的な血流改善が期待できる治療法です。

このように狭心症の治療は一人一人の病状やライフスタイルに応じて選択肢が異なります。
医師とよく相談し、自分にとって最適な治療法を見つけることが穏やかな日常生活を送るための第一歩といえるでしょう。

狭心症を悪化させないための生活習慣とセルフケア

狭心症と診断された後は硝酸薬による治療だけでなく、日々の生活習慣を見直すことが症状の悪化を防ぐうえでとても大切です。
狭心症の悪化を避けるためには、心臓への負担を減らすような生活習慣を継続的に実践していく必要があります。

まず最も重要なのが禁煙です。
喫煙の血管を収縮させる作用によって心臓の血流はさらに悪化し、狭心症や心筋梗塞を招くため、喫煙習慣がある場合はできるだけ早く禁煙できるように行動していきましょう。

次に食生活を見直します。
動物性脂肪や塩分、糖分の多い食事は動脈硬化を進行させ、狭心症の状態を悪化させる可能性があるため、血管にやさしいとされる野菜や魚、果物を中心に、バランスの取れた食事を心がけましょう。
さらに、硝酸薬を使用している場合はアルコール摂取も控える必要があります。

また、無理のない運動習慣も症状の安定に役立ちます。
ウォーキングや軽めのストレッチなどを日課にすることで血流が促進され、心臓の負担を減らす効果が期待できます。
ただし、激しい運動などで心臓に負担をかけ過ぎないためにも、運動は必ず医師の指導のもと、安全な範囲で行ってください。

それに加えて、強いストレスは交感神経を刺激して心拍数や血圧を上昇させ、狭心症の発作を引き起こしやすくします。
趣味を楽しんだり、深呼吸や瞑想などのリラックス法を取り入れたりして、心を安定させることを大切にしてください。

高血圧や糖尿病、高脂血症などの合併症がある方は、これらの管理も不可欠です。
通院や定期検査を欠かさず、医師の指示に従って薬剤の服用や生活指導を継続しましょう。

硝酸薬の硝酸イソソルビドテープは狭心症の発作の予防薬

硝酸薬の1つである硝酸イソソルビドテープは、狭心症の予防に用いられる貼付薬です。
外用薬は内服薬よりも使用に対して気が緩みがちですが、貼付部位、副作用、禁忌など正しい知識を持って使用してくことが大切です。
生活習慣の改善も行いながら、硝酸イソソルビドテープで治療を続けていきましょう。

このコラムの執筆者

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笹島 遼介
薬剤師
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2016年より調剤薬局を中心に地域医療に携わり、患者の日常に寄り添った服薬支援を実践。

花粉症や糖尿病など、長期治療が必要な慢性疾患に幅広く対応している。

現在は慢性疾患や生活習慣病に関する正確で実用的な知識をWebメディアで発信中。

些細な不安や疑問にも耳を傾け、共に解決策を見出す姿勢を大切にしている。

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